アーチーは5枚を3回交換し、ハイとローで分けるゲーム
アーチー(Archie)は、非公開の手札5枚を3回まで交換し、同じ最終5枚をハイとローで別々に比べるポーカーです。両側に資格を満たす人がいれば、集まった点数を半分ずつ分けます。

共有札は使いません。 ホールデムのように手札と共有札を組み合わせたり、ハイ用・ロー用に別々の5枚を選んだりせず、手元に残った5枚すべてを使います。通常の種目と比べたい場合は、ポーカーのルール・やり方と種目の一覧から確認できます。
この記事の主例は、Golden Nugget Las Vegasの2025 Live-Action規則 v1.6(2025年12月1日更新)にある、ハイは9のワンペア以上、ローは8以下の版です。以下では「GN9版」と呼びます。会場やイベントに共通する統一規則として扱わず、BARGEの別版との違いは末尾で比べます。
準備と、交換・行動の順序
まず、換金しない点数で一局を追うための条件を決めます。人数・初期点・固定額の切替はこの記事の教材設定で、GNの全卓の条件を示すものではありません。
| 準備するもの・条件 | この一局の設定 |
|---|---|
| 人数とカード | 3人、通常の52枚、ジョーカーなし |
| 初期点 | A・B・Cが各40点、計120点 |
| 席順 | 時計回りにB、C、A。Aがボタン役 |
| 強制的に出す点 | Bがスモールブラインド(SB)1点、Cがビッグブラインド(BB)2点 |
| その他 | アンティ(全員の強制点)・手数料なし |
| 行動の単位 | 順に2点・2点・4点・4点の固定額 |
各人へ裏向きで5枚を配ります。配札後の最初の行動はBBの左のAから、A→B→Cの順です。交換と交換後の行動はボタンの左のBから、B→C→Aの順で進みます。この例では最初のBBへのコールを認めます。
| 場面 | 交換 | その直後の行動の単位 |
|---|---|---|
| 配札後 | まだ交換しない | 第1ラウンド・2点 |
| 第1ドロー | 0〜5枚 | 第2ラウンド・2点 |
| 第2ドロー | 0〜5枚 | 第3ラウンド・4点 |
| 第3ドロー | 0〜5枚 | 第4ラウンド・4点 |
| 最後 | 残った5枚を公開 | ハイ・ローの判定と分配 |
ドローとは、不要な札を捨て、同じ枚数を受け取る交換です。0枚なら今の手札を保つ「スタンドパット」で、その回の交換機会を使ったことになります。必ず札を入れ替える必要はありません。
交換は3回、行動のラウンドは配札後を含む4回です。「4回」は各人が合計4回しか行動できないという意味ではなく、レイズがあれば同じラウンドで再び順番が回ります。
ベットはそのラウンドで最初に点を出すこと、コールは相手の額に不足する分を出すことです。まだ追加の点を求められていなければ、点を出さずに順番を渡すチェックができます。額を引き上げるのがレイズ、その一局から降りるのがフォールドです。集まった点数をポットと呼び、分配が終わるまで各人の手元の点とは分けます。
2点・4点は進行を確かめるためのベット・レイズの単位です。GNのArchie節だけでは切替時点を一意に固定できないため、この教材では前半2回を2点、後半2回を4点と置きます。
ハイとローの資格は別々に判定する
判定は、まずその側の資格を満たすか、次に資格者の中で誰が最良かの順です。両側の資格を持つことと、両側で勝つことは異なります。
| 判定する側 | GN9版で必要な資格 | 資格者どうしの比較 |
|---|---|---|
| ハイ | 9のワンペア以上の通常の役 | 通常のポーカーの役が強い方 |
| ロー | Aを1として、重複しない8以下の数字が5枚 | 大きい数字から比べ、最初に差が出る数字が小さい方 |
ハイでは、ワンペアよりツーペア、スリーカード、ストレート、フラッシュ、フルハウス、フォーカード、ストレートフラッシュの順に強くなります。「9のワンペア以上」は、ペアの数字だけを9以上に限定する意味ではありません。例えば2と3のツーペアも、ワンペアより上の役なので資格を満たします。8のワンペアだけなら、この版のハイ資格には届きません。
ローはA-to-5(エース・トゥ・ファイブ)として読みます。Aは1で、ストレートやフラッシュの形でもローを悪くしません。一方、数字の重複があるペアの手札は、8以下が含まれていてもロー資格を満たしません。
GNのArchie節自体の表記は「8/O」で、A-to-5という名称を直接記していません。ここでは、同書のLowball章・A-to-5節と、BARGEのArchie規則がCalifornia lowを指定する記述を照合した解釈として採用しています。
例えば、A・2・3・4・5は「5・4・3・2・A」の順に読む最良の5ローで、ホイールとも呼ばれます。
| 5枚すべてを使ったローの例 | 大きい数字から読む順 |
|---|---|
| 5・4・3・2・A(5ロー) | |
| 6・5・3・2・A(6ロー) |
この二つでは、最初の数字が5の方が小さいので、5ローが上です。最大の数字が同じなら、2番目、3番目へと比べます。スートの違いでローの強さは変わりません。
同じA・2・3・4・5は、ハイでは5を頂点とするストレートになります。ローで連番や同じスートを無視することは、ハイでストレートやフラッシュの価値を失うという意味ではありません。次の一局では、この同じ5枚の二通りの評価を確かめます。
交換から36点の分配まで、一局を追う
ここからは、先ほどの3人・各40点の設定による独自の配札例です。手札を見せて進行を説明しますが、ゲーム中は各自だけが自分の札を見ます。主例では山札の再シャッフルは必要ありません。
| 人・役割 | 最初の5枚 |
|---|---|
| A・ボタン | |
| B・SB | |
| C・BB |
ブラインドでBは1点、Cは2点を出しています。配札後はAが2点をコール、Bが不足する1点を追加し、すでに2点出しているCはチェックします。これで各人2点、ポット6点です。
3回の交換で、残す札と補充する札を追う
第1ドローはB→C→Aの順です。捨てた札と同じ枚数だけ補充するため、交換後も各人5枚のままです。
| 人 | 捨てる札 | 受け取る札 |
|---|---|---|
| B | ||
| C | ||
| A |
第1ドロー後はBが2点をベットし、C・Aが2点ずつコールします。6点が加わり、ポットは12点になります。
第2ドローも同じ順で進みます。Aは交換せず、A・2・3・5・6を保ちます。
| 人 | 捨てる札 | 受け取る札 |
|---|---|---|
| B | ||
| C | ||
| A | 0枚・スタンドパット | 0枚 |
第2ドロー後から教材の単位が4点になります。Bが4点をベットし、C・Aが4点ずつコールするので、12点が加わり、ポットは24点です。
第3ドローでは、B・Aはそのままの5枚を保ち、Cだけが1枚交換します。
| 人 | 捨てる札 | 受け取る札 |
|---|---|---|
| B | 0枚・スタンドパット | 0枚 |
| C | ||
| A | 0枚・スタンドパット | 0枚 |
最後もBが4点をベットし、C・Aが4点ずつコールします。さらに12点が加わって、公開時のポットは36点になります。
| 行動のラウンド | 各人の拠出合計 | ポット合計 |
|---|---|---|
| 配札後 | 2点 | 6点 |
| 第1ドロー後 | 4点 | 12点 |
| 第2ドロー後 | 8点 | 24点 |
| 第3ドロー後 | 12点 | 36点 |
同じ最終5枚を比べ、18点ずつ分ける
ハイはB、ローはCが最良なので、36点を18点ずつ分けます。Cのホイールは両側の資格を満たしますが、ハイではBのフォーカードに負けます。

| 人 | 最終5枚 | ハイの判定 | ローの判定 |
|---|---|---|---|
| A | 資格なし | 6・5・3・2・A。Cより下 | |
| B | 9のフォーカードで最良 | 数字が重複し、資格なし | |
| C | 5のストレート。Bより下 | 5・4・3・2・Aで最良 |
Cの手札は表で配札・補充の順に並んでいます。ローを比べるときに5・4・3・2・Aへ並べ替えて読むだけで、別の札は加えません。5枚全部をハイにもローにも使うので、Cは両側へ資格を持てます。
全員が40点から12点を出したため、公開直前の手元は各28点です。
| 人 | 公開直前 | 受け取る点 | 最終点 |
|---|---|---|---|
| A | 28点 | 0点 | 28点 |
| B | 28点 | ハイ18点 | 46点 |
| C | 28点 | ロー18点 | 46点 |
最終点は28+46+46=120点で、開始時の合計と一致します。Cはローを取りましたが、両側を一人で取るスコープにはなっていません。
資格がない側と、同点の分配
GN9版では、片側だけに資格者がいれば、その側へ全ポットを渡します。両側とも資格者がいないときは、残った全員で等分します。以下は主例とは別の条件を整理したものです。
| 公開時の条件 | GN9版の分配 |
|---|---|
| ハイ・ローの両側に資格者がいる | ハイ半分、ロー半分。それぞれ最良の人へ |
| ハイ資格者だけがいる | 最良の資格ハイへ全額 |
| ロー資格者だけがいる | 最良の資格ローへ全額 |
| 両側とも資格者がいない | 手札の強弱にかかわらず、残存者全員で等分 |
| ある側の最良の手が同点 | その側の取り分を同点者で等分 |
スコープ(scoop)は、一人が全ポットを取ることです。同じ人がハイとローの両側で単独の最良者ならスコープします。片側に資格者がおらず、もう片側の最良者が一人だけの場合も全ポットを得ます。
同点はその側の取り分の中で処理します。例えば40点のポットで、ハイの最良者が一人、ローの最良者が二人同点なら、ハイの人は20点、ローの二人は10点ずつです。一人あたり全体の4分の1になるため、クォータリングと呼ばれます。
ローの数字が完全に一致すれば、スートが違っていても同点です。ハイも役の種類だけで決めず、役の数字や、比較に必要な残り札(キッカー)まで比べて同点かを決めます。
主例は端数・オールイン・サイドポットのない設定です。複数のポットが生じた場合はそれぞれ判定し、割り切れない点の処理は採用規則に従います。途中で他の全員がフォールドして一人だけ残った場合は、最後の役比べをせず、その人がポットを受け取ります。
別版ではハイ資格と「両側資格なし」の扱いを確認する
アーチーという同じ名前でも、ハイの最低条件と、誰も資格を満たさない場合の処理を一緒に確認する必要があります。BARGEの掲載版をGN9版へそのまま重ねることはできません。
| 比較点 | GN 2025 v1.6のArchie | BARGE掲載のArchie |
|---|---|---|
| ハイ資格 | 9のワンペア以上 | 6のワンペア以上。9版もあると注記 |
| ロー資格 | 8/O。本文では関連資料を照合しA-to-5を採用 | California lowの8以下 |
| 両側とも資格なし | 残った全員で等分 | 資格未達でも、最も強いハイが全額 |
| 固定額の切替 | Archie節だけでは時点を一意に固定できない | 配札後・第1交換後が小、第2・第3交換後が大 |
この差は、ハイのペアを9から6へ読み替えるだけでは解決しません。別の二人が次の札を持ち、ポットが40点だとします。
| 人 | 最終5枚 | 判定 |
|---|---|---|
| X | 5のワンペア。どちらの版でもハイ資格なし、ロー資格もなし | |
| Y | ペアなしでハイ資格なし、8を超える札がありロー資格もなし |
GN9版ならX・Yへ20点ずつです。一方、BARGE版ならXが40点を受け取ります。両者とも6のペアに届きませんが、BARGE版では資格未達の中で最も強いハイを比べるため、Xの5のワンペアがYのペアなしを上回ります。
確認先は、GN規則PDFの実26ページ(印刷23ページ)・Archieと§287〜289と、BARGE規則のEvaluating the Showdownです。A-to-5の説明はGNの実25ページ(印刷22ページ)にあります。
資料確認日は2026年10月26日です。GNの特定版とBARGEのウェブ掲載版を比較しており、GN規則の現地での適用継続や、すべての会場・大会の2026年の採用条件まで確認したものではありません。自分が読む規則では、ハイの閾値・ロー方式・両側資格なしの精算・行動単位をそろえて確かめると、一局の条件を取り違えずに追えます。

