TDAは、ポーカートーナメントの規則をそろえる団体

TDAはPoker Tournament Directors Associationの略です。大会で使う規則や推奨手順を整える任意の業界団体で、法律や、すべての店舗・リングゲームに共通する規則ではありません。

この記事は、Poker TDA公式の2026年版v1.1(2026年9月21日)を基準に代表例を要約します。実際の大会では、採用版とハウスルールを先に確認してください。TDA公式規則一覧、2026 v1.1公式本文

公式一覧には過去版もあります。日本語訳も、表題の年だけでなくv1.0・v1.1などの版を確認します。参加大会が過去版を採用しているなら、勝手に最新規則へ置き換えず、主催者へ確認しましょう。

TDA規則1は、公平性とゲーム全体の利益を優先し、特殊な状況ではフロアが事情に応じて判断すると定めています。条文の一文だけで、情報のない現場の裁定まで確定するわけではありません。

ベットの裁定は、発声・チップ・順番から確認する

先に行ったことと、明確な発声を確認する

TDA規則42では、発声とチップ投入を両方した場合、基本は先に行った方でベットを定めます。同時なら明確で合理的な発声を優先し、発声とチップが矛盾するなど不明確な状況はTDが判断します。

「発声はどんな状況でも必ず優先」とだけ覚えず、何をいつ言い、どのチップを出したかを確認してください。

大きいチップ一枚は、無言だとコールになる

次はNLで、相手の400ベットに自分の順番で対応する例です。

自分の行動TDAの基本的な扱い
無言で1,000チップを一枚出す原則400へのコール
先に「レイズ、1,000」と言って出す合計1,000へのレイズ

400ベットの最小レイズは合計800なので、後者の1,000は最小額を満たします。レイズと金額を言う場合は、原則としてそのラウンドの合計額です。無言の一枚を1,000のレイズにしたいなら、先に意思を明確にしなければなりません。TDA規則45、46

全額を一度に出すか、先に全額を発声する

NL・PLのレイズは、全額を一動作で出すか、出す前に全額を発声します。例えば、何も言わず一部を出し、スタックへ戻ってさらに足すと、禁止されるストリングベット・レイズに当たります。

「レイズ」とだけ言って二動作で額を作る方法も、TDAでは認められる手順ではありません。額を決めてから「レイズ、合計1,000」と伝える方が意図を明確にできます。TDA規則44、58

順番外行動と早い手札公開は、条件で扱いが変わる

3人以上の順番外行動と、ヘッズアップを分ける

順番外の行動はOOT(Out of Turn)です。TDA2026 v1.1の規則55は、ハンドに残る人数で扱いを分けています。

状況確認する扱い
3人以上で順番外にチェック・コール・レイズ正しい人の順番へ戻す。順番外の人に来るベット額が変わらなければ、原則その行動に拘束される
3人以上で、先に行動すべき人が額を変更順番外行動の拘束が外れる条件がある。返却・選択肢をフロアへ確認
順番外のフォールド拘束されるフォールド
2人だけで後手Bが先にチェックそのラウンドで先手Aがベットしたら、Bはコールかフォールドだけで、レイズできない

正しい順番の人によるチェック・コール・フォールドは、3人以上の例でいう「額の変化」には当たりません。飛ばされた人も、自分の行動権があることをすぐ伝える必要があります。

順番外なら全て同じ処理、とはしないでください。特にヘッズアップの条件を、3人以上の説明から補わないことが大切です。TDA2026 v1.1規則55

早く手札を見せても、自動的にデッドとは限らない

アクションが残る間の手札公開は、ペナルティの対象になり得ます。ただしTDA規則70では、それだけで手札を自動的に無効とするわけではありません。自分や他人の手札を勝手に捨てず、ディーラー・フロアへ確認します。

クロック要求と、常設アクションクロックは別

クロックは、相当な考慮時間の後にTDが判断する

クロックを要求するとは、考慮が長いプレイヤーに判断期限を設けてもらうことです。TDA規則31では、相当な時間が経過したとTDが判断すると、TD自身が開始するか、大会参加者からの要求を承認できます。要求する人は席にいる必要があります。

項目TDA2026 v1.1の基本
判断までの時間最大25秒、その後5秒のカウントダウン
ベットに直面して時間切れハンドがデッド
ベットに直面せず時間切れチェック
時間と行動が同時プレイヤーに有利な扱い

TDは進行や繰り返す遅延に応じて、時間を調整する裁量があります。「誰でも発声した瞬間から必ず30秒」「全ての行動に毎回30秒」という規則ではありません。TDA規則31

TDA2026 v1.1の個別クロック要求。相当な考慮時間後にTDが判断し、最大25秒と5秒カウントへ進む。時間切れでベットに直面していればデッド、ベットがなければチェック。TDには時間調整の裁量がある。

アクションクロックとタイムバンクは大会の設定を確認する

常設のアクションクロック・ショットクロックは、各行動に決められた時間を設ける仕組みです。タイムバンクは、追加の考慮時間を使える制度です。

一回の秒数、延長回数、補充、開始するステージは大会規定によります。個別クロック要求の25秒+5秒を、そのまま常設時計の設定として当てはめないでください。

卓上の責任と、裁定を依頼する手順

TDA採用大会では、自分の手札を守る、順番を追う、カードと高額チップを見えるようにする、他人の手へ助言しないといった責任があります。ライブハンド中の端末操作や卓上の戦略ツールにも制限があります。TDA規則2、5、27、69

裁定が必要なときは、次の順で確認します。

  1. ディーラーへ伝える:「順番と金額を確認したいです」と言い、自己判断で進めない。
  2. フロアを依頼する:発声・投入・先行アクションなどの事実を整理する。
  3. 採用規則を確認する:大会の版・ハウス規定と、その状況の判断を聞く。
  4. 裁定に従う:自分でチップを回収したり、相手の手札を無効と扱ったりしない。

普段の振舞いと来店時の確認は、ポーカールームのマナーにもまとめています。