ロシアンポーカーはディーラーと5枚の役を比べる
ロシアンポーカーは、ディーラーと最善5枚の役を比べるゲームです。6枚目の購入や交換を選べること、条件を満たせば二つの役が配当対象になることが特徴です。

この記事では、BetVoyagerの公開規則にある通常版の1 open boxを採用します。open boxは、自分の手札を見て継続を決める一つの参加枠です。同じページの「No House Edge」版や、手札を見ないblind boxの条件は含めません。確認日は2026年10月26日で、規則に版番号・改訂日の表示はありません。
用いるのはジョーカーを除く52枚。最初は参加者とディーラーに各5枚を配り、ディーラーの最後の1枚だけを表向きにします。6枚目を購入すると自分の手札が6枚になり、その中から最善の5枚を選びます。6枚目は他の人と共有する共通札ではありません。
用札・初期配布・標準の役序列は、Russian Pokerの規則が案内する同社の共通解説で補足しています。その解説にあるOasis固有のAnte配当や交換条件は、本稿へ持ち込みません。
ディーラーにはAとKを含むノーペア、またはワンペア以上という資格条件があります。Aだけのノーペアでは足りず、8のワンペアならA・Kがなくても資格を満たします。資格が成立した場合に最善5枚を比較し、同じ役なら役を構成するランク、必要に応じて残りの札を比べます。スート自体に強弱はありません。
| 比較点 | 本稿のロシアンポーカー | テキサスホールデム |
|---|---|---|
| 直接比べる相手 | ディーラー | 他の参加者 |
| 自分の札 | 初期5枚。任意で6枚目の購入・交換 | 私有札2枚 |
| 共通札 | 使わない | 最大5枚 |
| 判定 | ディーラー資格を確認し、最善5枚を比較 | 私有札と共通札から最善5枚を比較 |
13枚を並べる中国式ポーカーとも別のゲームです。名前だけで判断せず、提供者と採用規則をそろえると、異なる説明を混ぜずに読めます。
Anteの後に選べる行動と費用を分ける
Anteは配布前に置く参加点、Betは継続のために追加する点です。採用版のBetはAnteの2倍で、6枚目の購入費や交換費とは別に必要です。

配られた5枚を見た後は、そのままBetを置く、フォールドする、6枚目を購入する、手札を交換する、という選択肢があります。図はそのまま継続する場合と購入・複数枚交換の流れを示しています。単札の再交換には、下記の特則があります。
| 項目 | 置く時点・意味 | Anteを10点にした教材 |
|---|---|---|
| Ante | 配布前に置く | 10点 |
| Bet | 継続するときに追加。Anteの2倍 | 20点 |
| 6枚目の購入費 | 手札を捨てずに1枚追加する費用 | 10点を消費 |
| 初回の交換費 | 手札の1〜5枚を入れ替える費用 | 10点を消費 |
| フォールド | その局を終了し、Anteを失う | Betは置かない。支払い済み費用も戻らない |
6枚目を購入した後、または複数枚を交換した後は、Betかフォールドを選びます。「6枚目を買ってから、その6枚をさらに交換する」という流れにはしません。購入・交換費は支払い済みの費用なので、Betの元点や精算時の返却点に足しません。
1枚だけの交換では、再び任意の1枚を交換する特則があります。その都度の費用が1Ante、2Ante、3Ante……と増えるため、Ante10なら1回目10点、2回目20点、3回目30点です。累計で10点、20点、30点になるという意味ではありません。
同社規則は山札の残りにも制約を設けています。「何度でも必ず交換できる」「他社も同じ回数」とは扱いません。行動と費用の根拠は通常版のBasic Rules 8・9・18です。
一局の配布から6枚目・勝敗まで追う
以下は、購入・換金・賞品交換ができない100点の紙上教材です。金銭や価値のある物は使いません。カードと選択は説明用に固定した独自例で、有利な行動や賭け額の推奨ではありません。進行役1人・参加者1人で、保険・Bonus・ディーラーの買い取りは使いません。
最初の自分の札は次の5枚です。
ディーラーは5枚を持ちますが、この時点で見えるのは2♦だけです。教材では10点を費用として6枚目の10♦を追加し、その後Bet20点で継続します。ディーラーの残り4枚を知ってから購入やBetを決めた例ではありません。
| 時点 | 行動・見える情報 | 今回新たに出す点 | 手元の残点 |
|---|---|---|---|
| 配布前 | Anteを置く | 10 | 90 |
| 配布後 | 自分の5枚と、ディーラーの2♦だけを見る | 0 | 90 |
| 6枚目 | 費用を払い、10♦を受け取る | 10 | 80 |
| 継続 | Betを置く。ディーラーはまだ2♦だけ表 | 20 | 60 |
| 公開 | ディーラーの5枚をすべて表にする | 0 | 60 |

公開されたディーラーの札は8♣・8♦・6♥・4♠・2♦です。8のワンペアで資格を満たします。自分の最善5枚はK・Q・J・T・9のストレートで、ワンペアより上位なので、この教材では参加者が勝ちます。全体で使った物理札は11枚で、同じ札の重複はありません。
最善5枚の勝敗と二つの役の認定を分ける
二つの役は、勝敗を決めた後の配当対象を確認する仕組みです。配当倍率の合計が大きいからディーラーの強い役に勝てる、という判定ではありません。

教材では、第一役に10♠を使うKハイ・ストレート、第二役に10♦を使うKハイ・ストレートを認定します。第二役には、第一役の構成に使わない札が最低1枚必要です。ここでは新しい構成札が10♦で、10♠と10♦が別の物理札であることに意味があります。
| 認定する役 | 使う5枚 | Betに対する加点倍率 |
|---|---|---|
| 第一役 | 4対1 | |
| 第二役 | 4対1 |
認定は最大二つまでです。6枚から作れる5枚の候補をすべて数えて配当を足すわけではありません。また、余り札を替えただけで何でも別の役になるわけでもありません。例えばAAKKxというツーペアでは、AもKも主役の構成に使われるため、AKを第二役に数えられません。ここでxは残り1枚を表す記号です。
採用版の通常Bet欄は次の通りです。数字は元点の返却を含まない加点倍率で、Bonus欄とは別です。
| 役 | Betの加点倍率 |
|---|---|
| ロイヤルフラッシュ | 100対1 |
| ストレートフラッシュ | 50対1 |
| フォーカード | 20対1 |
| フルハウス | 7対1 |
| フラッシュ | 5対1 |
| ストレート | 4対1 |
| スリーカード | 3対1 |
| ツーペア | 2対1 |
| ワンペア | 1対1 |
| A・K | 1対1 |
この表だけで第二役の成立を判定することはできません。構成札の条件を先に確認し、その後で認定された二つまでの倍率を足します。根拠は通常版のBasic Rules 12・13、Table 1・2です。
資格・勝敗でAnteとBetの精算が変わる
精算では、元点の返却・役による加点・消費した費用を分けます。以下は保険・Bonusなしの通常版です。

| 結果 | Ante | Bet |
|---|---|---|
| 資格あり・参加者が上位 | 元点を返却。加点なし | 元点を返却し、認定役の倍率で加点 |
| 資格あり・ディーラーが上位 | 失う | 失う |
| 資格あり・5枚の比較が完全同点 | 元点を返却。加点なし | 元点を返却。加点なし |
| 資格なし・買い取りをしない | 元点を返却し、1対1で加点 | 元点を返却。役別加点なし |
同じ役名だけでは完全同点になりません。役のランクと、必要な残り札まで比べた結果が同じ場合に返却となります。購入・交換費はどの結果でも、元点として返す欄には含めません。
教材例は、資格を満たすディーラーに勝ったケースです。したがってAnte10点には加点が付かず、Bet20点に二つのストレートの倍率4+4を使います。
| 精算するもの | 元点の返却 | 加点 | 受け取る合計 |
|---|---|---|---|
| Ante10 | 10 | 0 | 10 |
| Bet20 | 20 | (4+4)×20=160 | 180 |
| 6枚目の購入費10 | 0 | 0 | 0 |
| 合計 | 30 | 160 | 190 |
支払い後の手元60点に190点を戻すので、最終残点は250点です。式でも、100−10(Ante)−10(購入費)−20(Bet)+10(Ante返却)+20(Bet返却)+160(加点)=250と一致します。190点は精算時の受取合計で、最終残点や純増点と同じ数字ではありません。
ディーラーが資格を満たさないときに選べる「買い取り」は、元のAnteを費用へ回す方式です。Anteの1対1加点を受け取る代わりに、ディーラーの最高ランクの札を交換します。新しくもう一つAnteを置いて、元のAnteも返却される方式ではありません。
| 買い取り後の結果 | 費用へ回した元Ante | Bet |
|---|---|---|
| 資格成立・参加者が上位 | 返却・加点なし | 元点返却+認定役の加点 |
| 資格成立・ディーラーが上位 | 返却・加点なし | 失う |
| 資格成立・完全同点 | 返却・加点なし | 元点返却・加点なし |
| なお資格なし | 返却・加点なし | 元点返却・加点なし |
買い取り後に同じランクの札が出て、なお資格なしの場合、同社の詳細規則Basic Rules 17は無料再交換が最大3回と記しています。要約の「複数回」という表現は、この詳細と矛盾するとは限りません。最初の交換を含めた回数の数え方と現行画面の動作は実行検証していないため、本稿の一局では買い取りを使っていません。精算の根拠は通常版のBasic Rules 12・14〜17です。
採用差と任意ルールを確認する
同じ名称でも、交換範囲・費用・買い取り条件は提供者ごとに確認します。別の規則で読んだ条件を、この教材の途中へ継ぎ足すと、進行と精算が変わります。
| 項目 | 本稿の採用・確認範囲 | 別規則との区別・未確認 |
|---|---|---|
| プレイヤーの交換 | BetVoyager通常版は初回1〜5枚。単札には再交換特則 | D1は2〜5枚と記載 |
| 交換回数 | 本稿では購入だけを実行 | Coronaは1〜5枚を1回と記載。採用版へ移さない |
| ディーラー買い取り | 元Anteを費用化。同ランクで資格なしの場合の無料再交換を詳細規則に記載 | D1は買い取り後も資格なしなら、それ以上引かないと記載 |
| 保険 | スリーカード以上で、ディーラー資格なしに備える別枠。主例では未使用 | 通常版本文に上限の表現差があり、正確な上限は本稿で確定しない |
| Bonus | 配布直後の最初の5枚に対する任意の別枠 | 6枚目・交換後の役のBet配当とは分ける。主例では未使用 |
| No House Edge版 | 未採用 | 同じページにある保険条件を通常版へ混ぜない |
保険はディーラーが資格なしなら1対1で精算されます。資格ありなら原則失いますが、ディーラーの役が参加者より上位のときは返却される、という別条件もあります。これはAnte・Betの返却とは別契約です。上限や特殊ケースを補って一つの万能ルールにはしません。通常版のBasic Rules 10・11で扱う範囲です。
紙上で順序を確かめるときは、採用する版、ディーラーの資格、最善5枚、第二役の構成札、点数の内訳をそろえます。6枚目を増やす操作と、二つの役を認定する処理、最後の精算を分けると、どの条件が結果を変えるかを追えます。

