7枚を5枚と2枚に分け、相手の同じ側と比べる

パイゴウポーカーは、配られた7枚を5枚側(high)と2枚側(low)に分け、相手の5枚側・2枚側と別々に比較するカードゲームです。本稿で採用する通常版では、両側で勝てば勝ち、一方だけ勝てばプッシュになります。

自分と相手の7枚をそれぞれ5枚側と2枚側に分け、5枚同士と2枚同士を比較する。両方勝つと勝ち、一方だけ勝つとプッシュ

「ハイ・ゴウ・ポーカー」などの表記で探している場合も、英語名の Pai Gow Poker を確認してください。ここで扱うカード版と、32枚のドミノ型の牌から4枚を受け取り2枚ずつに分ける Pai Gow Tiles は別のゲームです。牌版の枚数や役はカード版へ持ち込みません。牌版の公式説明

以下は、米国Pennsylvania Codeの通常Pai Gow Pokerを参照した、紙札と換金できない教材点による独自例です。基本分の二比較に絞り、EZ・無手数料版・追加形式は最後に分けます。教材ではディーラーDが、勝敗と精算を引き受けるバンカーを兼ねます。規則にはプレイヤーがバンカーになる手続きもあるため、相手が必ずディーラーだと一般化はできません。用語の定義

53枚を準備し、空席にも7枚ずつ配る

一局に使うのは、通常の52枚にジョーカー1枚を加えた1組53枚です。役に使わないカバーカードは、この53枚へ数えません。自動機のために2組を交互に使う規定もありますが、一局で2組を混ぜるという意味ではありません。カードの規定

1組53枚をA・B・Dの21枚、空席4か所の28枚、残余4枚に分ける。49枚を配り残り4枚と合わせて53枚

採用する手配り方式では、空席を含む6席とディーラーの計7か所へ各7枚、合計49枚を配ります。余った4枚は誰にも見せず回収し、空席へ配った札も非公開で回収します。A・Bの2人とDだけが使う例でも、配札全体が21枚で終わるわけではありません。手配りの規定

教材の開始時はA・Bが各100点、Dの準備点が1,000点で、総点は1,200点です。A・Bは配札前に各20点を参加分として予約します。この20点は計算用の数値であり、実際の賭け額の提案ではありません。締切後は、札を見て追加・増額・撤回をしない条件です。締切の規定

配る開始位置は、規則では3個のサイコロの合計か1〜7の乱数で決めます。位置を数える向きは反時計回り、実際に配る向きは時計回りです。開始位置の規定
教材ではDを1として反時計回りにD・E6・E5・E4・E3・A・Bと番号を付け、乱数の結果を1とします。Dから、時計回りにD→B→A→E3→E4→E5→E6へ1枚ずつ7周配ります。E3〜E6は空席です。以下の札は説明を再現するための固定配札で、実際のシャッフル結果を予測するものではありません。

有効な配置は「5枚側が2枚側以上」

7枚は残さず一度ずつ使い、5枚と2枚へ分けます。採用規則の条件は、5枚側の強さが2枚側以上であることです。「以上」なので等号を含み、必ず一段強い役を作るという意味ではありません。不適切な配置は、通常版の基本分では負けになります。配置の規定

Bの同じ7枚の配置比較。5枚側KKと2枚側QJは有効。Kのペアを2枚側へ移し5枚側Qハイにすると不適切

図はBの同じ7枚を並べ替えた比較です。有効な例では5枚側にKのペア、2枚側にQ・Jを置いています。Kのペアを2枚側へ移すと、残る5枚側はQを最高札とするハイカードになり、ペアより弱いため不適切です。上下の図を同時に配られた別の手札として数えるものではありません。

lowは「小さい数字ほど強い」という意味ではありません。 2枚側も高いペア、高いカードを競います。2枚側に成立するのはペアかハイカードで、同じスートや連番でもフラッシュ・ストレートにはなりません。カードの数字はA、K、Q、J、10、9……2の順に高くなります。

5枚側の役と、採用版の特別な順位

通常の基本分で使う5枚側の順位は次の順です。ジョーカーを含む5枚のAが最上位で、追加形式の7枚役の表とは区別します。採用する役の規定

強い順役成り立ち
15枚のA4枚のAとジョーカー
2ロイヤルフラッシュ同じスートのA・K・Q・J・10
3ストレートフラッシュ同じスートの連続する5枚
4フォーカード同じ数字4枚
5フルハウス同じ数字3枚と別のペア
6フラッシュ同じスート5枚
7ストレートスートを問わない連続する5枚
8スリーカード同じ数字3枚
9ツーペア異なる2組のペア
10ワンペア同じ数字2枚
11ハイカード上記の役がない

A・2・3・4・5の順位には注意が必要です。 このPA規則では、ストレートのA2345はA・K・Q・J・10の次で、2番目の強さです。同じスートのA2345は、ロイヤルを別枠とするストレートフラッシュ内では最上位で、K・Q・J・10・9より上に置きます。一般的なホールデムのwheelの順位へ置き換えないでください。AはこのA2345に使えますが、Q・K・A・2・3のように数字を一周させる連続形にはできません。

ジョーカーとハウスウェイを分けて考える

ジョーカーはAとして扱うか、ストレート・フラッシュ・ストレートフラッシュ・ロイヤルを完成させる札として使います。好きな数字のペアやスリーカードを自由に作る万能札ではありません。2枚側ではストレート類を作れないため、Aとして扱います。ジョーカーの規定

ジョーカーを置く側認められる使い方認められない使い方
5枚側A、または上記の連続役・同スート役の完成用任意の数字になってKのペアなどを作る
2枚側A任意の数字への代用、2枚でのストレート・フラッシュ

ハウスウェイ(house way)は、複数の有効な配置からディーラーがどれを選ぶかを定める施設所定の方式です。「5枚側が2枚側以上」という一般条件とは役割が異なります。採用規則は施設が提出する方式を使うと定めており、世界共通の配置手順を一つに決めてはいません。ディーラーの配置
特定施設の承認済みハウスウェイの全容は、今回の資料では未確認です。Dの例は教材内で先に「ペアが1組でストレート・フラッシュがないこの札形では、ペアを5枚側に残し、残りの最上位2枚を2枚側へ置く」と固定します。これは本例を再現するための方式で、施設の正式方式や唯一最善の分け方を示すものではありません。

同点も含めて二つの比較から結果を決める

自分のhighは相手のhighへ、自分のlowは相手のlowへ対応させます。同じ役なら、その役の数字を比較し、差がなければ残る札を高い順に比較します。ペア以外の札をキッカーと呼びます。最後まで数字の強さが一致すれば同点で、スートで勝敗を分けません。同役の比較

BのKK973とDのKK852はキッカー9対8でBの勝ち。2枚側はどちらもQJで同点なので基本結果はプッシュ

図の5枚側は両者ともKのペアですが、Bの次の札は9、Dは8なのでBが勝ちます。2枚側はBがQ♣・J♦、DがQ♠・J♥で、スートは違ってもQ・Jという順位が同じです。この同点をコピー(copy)とも呼び、バンカー側に数えます。ただし、コピーが一つあるだけで一局全体が必ず負けるわけではありません。コピーの運営者説明

5枚側の比較2枚側の比較通常版の基本結果
勝ち勝ち勝ち
勝ち負け、または同点プッシュ:元の参加分を返却
負け、または同点勝ちプッシュ:元の参加分を返却
負け、または同点負け、または同点負け

つまり、相手より厳密に上回る側が2つなら勝ち、1つならプッシュ、0なら負けです。Bの「勝ち+同点」はプッシュですが、「同点+負け」や「同点+同点」は負けになります。プッシュは半分勝った結果ではなく、元の参加分が戻る処理です。通常版の勝敗判定

一局を、配札・公開・点の精算まで追う

準備で予約した各20点をそのまま使い、追加形式とサレンダーは扱いません。A・Bは配られた次の7枚を5+2に分け、伏せて確定します。その後にDの7枚を公開し、先に固定した教材方式で分けます。採用規則でも、プレイヤーの配置確定後にディーラーの札を公開・配置する順です。公開の順序

人5枚側2枚側
AX +
B
D

Xは1枚のジョーカーを表します。AはXを8♥として評価することで、4♥〜8♥のストレートフラッシュを完成させ、A♠・A♦を2枚側へ残せます。5枚側のストレートフラッシュはDのKペアに勝ち、2枚側のAAもDのQJに勝つため、Aは両側勝ちです。

Aの5枚側はジョーカーXと4ハート5ハート6ハート7ハート。Xを8ハートとして評価してストレートフラッシュを作り、2枚側AAとともにDに勝つ。物理的な8ハートを追加しない

図の「JOKER/X」は説明用の文字マーカーです。実際に8♥のカードを追加するわけではありません。この配札では物理的な8♥は空席E5の札で、Xとは別の1枚です。教材ではB→Aの順で比較し、Bは前の図のとおりプッシュ、Aは勝ちになります。

札が増減していないことは、次の残りの台帳でも確認できます。これらは教材の検算用に札面を記したもので、規則上は空席分も残余分も参加者に公開せず回収します。A・B・Dの21枚+空席28枚+残余4枚=53枚で、同じ固有札の重複はありません。

所在教材台帳の札枚数
空席E32♠・2♥・2♣・3♥・3♦・3♣・4♠7
空席E44♦・4♣・5♠・5♦・6♠・6♦・6♣7
空席E57♠・7♣・8♠・8♥・8♦・9♠・9♥7
空席E69♦・10♠・10♥・10♦・10♣・J♠・J♣7
残余Q♥・Q♦・A♥・A♣4

元点の返却、勝ち分の加点、手数料を別々に記録する

採用するPA通常版は、基本分の勝ちを1対1で支払い、勝ち分の5%を手数料(vigorish)とする規則です。金額の丸め規定もありますが、以下の非換金教材では20点の5%がちょうど1点になるため丸めは生じません。これは全版共通の手数料率ではありません。通常版の精算規定

項目A:両側勝ちB:勝ち+同点
元の参加分の返却20点20点
勝ち分の加点20点0点
手数料として移す点1点(加点20の5%)0点
予約後に受け取る点20+20−1=39点20点
終了時の持ち点80+39=119点80+20=100点

Aの受取39点には、元々Aが持っていた20点の返却が含まれます。したがって、開始100点からの増加は19点です。Bは20点が戻るだけで、加点も手数料もありません。

点の所在を段階ごとに記録すると、総点も保存できます。「予約」は参加分を一時的に分けて置いた場所、「手数料記録」はDの準備点と別に管理する場所です。

段階ABD準備点参加予約手数料記録
開始1001001,00000
各20点を予約80801,000400
元の参加分を返却1001001,00000
Aに20点を加点12010098000
Aから手数料1点を移す11910098001

各行の合計はすべて1,200点です。終了時もA119+B100+D準備980+手数料1=1,200で、D側の準備点と手数料記録を合算すると981点になります。

版の違いと、ホールデムから持ち込まない条件

「無手数料」という名称だけで、通常版の手数料を外して同じ勝敗処理をするとは限りません。確認したPA規則だけでも、次の差があります。教材のA・Bの結果には、これらの別版の自動プッシュ条件を混ぜていません。

確認した版手数料基本分に関係する条件
PA通常版(chapter645a)勝ち分の5%、丸め規定あり通常の二比較で判定
PA EZ(同chapter内)vigorishなしDがQueen’s Dragonならプッシュ
PA無手数料版(§645c.1)vigorishなしDの2枚側が9ハイのTiger 9ならプッシュ

Queen’s Dragonは、ディーラーの7枚がすべて異なる数字で、ストレート・フラッシュ・ストレートフラッシュ・ロイヤルにならず、最高札がQであるという採用規則の定義です。Tiger 9はディーラーの2枚側が9ハイであることを指します。どちらも通常版全体の共通条件ではありません。EZの定義、EZのプッシュ処理、PA無手数料版

本採用の通常基本分には、ディーラーが特定の最低役を作ったときだけ勝負成立、とする別の資格判定を置きません。規則の「Qualifying Wager」は一部追加形式での資格額を指す用語で、このようなディーラーの最低役条件とは別です。用語の適用範囲

ホールデムを知っている場合も、「7枚から強い5枚だけ選ぶゲーム」と捉えると配置を誤ります。

見る点このパイゴウポーカー教材テキサスホールデム
使う札自分に配られた7枚、共通札なし手札2枚と共通札5枚
手の作り方全7枚を5枚側と2枚側へ分ける利用できる7枚から最善の5枚を選ぶ
比較high同士とlow同士の二つ5枚の役を一つ比較
参加分のタイミング配札前に固定し、配置後に比較・精算プリフロップからリバーまで複数回の行動

ホールデム側の手札・共通札・最善5枚・行動の区切りは、Bicycleのホールデム説明で照合しています。

他国・他施設のジョーカー用途、wheel順位、ハウスウェイ、ディーラー資格、手数料や自動プッシュ条件は、このPA採用版から推定できません。別のルールを読むときは、まず版の名称と当該公式規則を確認し、ここで分けた条件へ一つずつ対応させてください。

学習は紙札と換金できない点で行う前提です。警察庁は、海外で合法的に運営されるオンラインカジノでも、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪と説明しています。警察庁の説明