クールシュベルは手札5枚、役に使うのは2枚+3枚
クールシュベル(Courchevel)は、各自に手札5枚を配り、初回の行動前に共通札1枚を見せるポーカーです。完成役は手札から必ず2枚、共通札から必ず3枚を選んで作ります。

手札は自分だけが持つ札、共通札は場に表向きで置かれ、全員が使える札です。共通札は最後に5枚になります。最初に見えている1枚はその5枚の一部で、別枠のボーナス札ではありません。
「最初から何枚見えるか」と「完成役に何枚使うか」を分けると、通常のオマハとの違いを整理できます。
この記事はPokerStars公式のCourchevel公開ルールを採用したHigh(ハイ)の説明です。Highは通常の役の強さで勝敗を決めます。低い組み合わせにも配分するHi/Loは後半で別に扱います。一局の例は、金銭価値も換金性もない教材点を使った独自の例です。
準備と共通札の公開順を押さえる
標準52枚のデッキを使い、各局の前にシャッフルします。ジョーカーは使いません。Card Room Rulesの52枚という共通条件と、Courchevel固有の配布・公開順を組み合わせています。
ボタンは、その局の名目上のディーラーを示す目印です。ボタンのすぐ次の席がSB(スモールブラインド)、その次がBB(ビッグブラインド)となり、札を見る前に決められた点を出します。席順も行動も時計回りです。

共通札は1枚を先に公開し、次に2枚、その後1枚ずつ追加します。最初の1枚に2枚を加えた合計3枚がフロップです。「最初の1枚の後に、さらに3枚出す」と数えないようにしましょう。
| 区間 | 共通札の合計 | 最初に行動する人 |
|---|---|---|
| 初回(プリフロップ) | 1枚 | BBのすぐ次の人 |
| フロップ | 3枚 | ボタンのすぐ次にいる、降りていない人 |
| ターン | 4枚 | ボタンのすぐ次にいる、降りていない人 |
| リバー | 5枚 | ボタンのすぐ次にいる、降りていない人 |
各区間で、順番に行動します。ポットは、その局で全員が出した点の集まりです。今回の例に出てくる行動を先に確認しておきます。
| 行動 | 意味 |
|---|---|
| チェック | 追加せずに続ける。その回に支払うべき差額がないときに選ぶ |
| ベット | その回で最初の賭け点を置く |
| コール | その回の現在額に足りない分を追加する |
| レイズ | 現在額に合わせたうえで、さらに額を上げる |
| フォールド | その局から降り、ポットを取る資格を放棄する |
たとえばBBが2点で、その回にSBとして1点を出していれば、コールで追加するのは1点です。別の回に出した点は、その回のコール額から引きません。BBも、誰も額を上げず自分に順番が戻れば、追加なしでチェックできます。
全員がチェックするか、降りていない人の額がそろうと次の区間へ進みます。全員が降りて1人だけ残れば、役を比べる前に決着します。行動の意味はPokerStarsの共通ルールでも確認できます。
役は「使える組み合わせ」の中から最善5枚を選ぶ
手札と共通札が合計10枚あっても、その中から自由に5枚を取るルールではありません。手札2枚・共通札3枚という制約を守った候補だけを比べます。最後まで共通札が出れば、手札の選び方10通りと共通札の選び方10通りを掛けた100通りから最善を選べます。
| 選び方 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 手札2枚+共通札3枚 | 使用できる | 指定の枚数を満たす |
| 手札1枚+共通札4枚 | 使用できない | 手札が1枚足りない |
| 手札3枚+共通札2枚 | 使用できない | 手札を使いすぎている |
| 共通札5枚だけ | 使用できない | 手札2枚を使っていない |
次の図は、後の一局で3人が作る最善5枚です。縦の区切りの左が手札2枚、右が共通札3枚で、どの人も2+3を守っています。

この例では、AのフラッシュがCのスリーカードより強く、CのスリーカードはBのワンペアより強くなります。Aの5枚はA・Q・J・10・9のハートで、連続していないためストレートフラッシュではありません。
同じ役名になったときは、役を作るランクに続いてキッカー(役の中心以外で比較に使う札)まで比べます。ワンペアならペアのランク、次に残る3枚を高い順に比べます。フラッシュなら5枚を高い順に比べます。
最善5枚の評価がすべて同じなら同点です。スートの名前だけで勝者を決めず、同点の人でポットを等分します。キッカーと同点分配の公式説明も、この比較の基本を示しています。
一局を公開から30点の分配まで追う
ここからは3人・Fixed Limit 2/4の独自教材です。全員100点で始め、SB1点・BB2点、初回とフロップのベット/レイズ単位は2点、ターンとリバーは4点とします。アンティ、レーキ(ポットからの手数料)、オールインはありません。以下の点数は手順を追うための設定で、額の推奨ではありません。
ボタンはA。時計回りにBがSB、CがBBです。Bが1点、Cが2点を先に置くため、配布前のポットは3点、持ち点はA100・B99・C98になります。
全員の手札と共通札
教材を再現しやすいよう、手札はB→C→Aへ1枚ずつ配る順を5周する設定にしました。これはこの教材の配布順であり、未確認の物理卓運用を公式手順とするものではありません。各自が受け取る札は次の5枚です。
| 人・位置 | 手札5枚 |
|---|---|
| A・ボタン | |
| B・SB | |
| C・BB |
共通札は、Q♥を初回の前に公開し、フロップでJ♥・2♣、ターンで9♥、リバーでK♠を加えます。
手札15枚と共通札5枚には同じ札の重複がなく、残りは32枚です。52枚の内訳は15+5+32になります。
各回の全行動と持ち点
初回はBBのCの次なのでAからです。フロップ以降はボタンのAの次にいるBから始めます。表の持ち点は、その行の行動がすべて終わった時点です。
| 区間・見えている共通札 | 行動の順序 | ポット | 持ち点 A/B/C |
|---|---|---|---|
| 準備・まだなし | BがSB1、CがBB2を置く | 3 | 100/99/98 |
| 初回・Q♥ | Aが2をコール → Bが追加1でコール → Cがチェック | 6 | 98/98/98 |
| フロップ・Q♥ J♥ 2♣ | Bチェック → Cチェック → Aチェック | 6 | 98/98/98 |
| ターン・さらに9♥ | Bチェック → Cチェック → Aが4をベット → Bが4をコール → Cが4をコール | 18 | 94/94/94 |
| リバー・さらにK♠ | Bチェック → Cチェック → Aが4をベット → Bが4をコール → Cが4をコール | 30 | 90/90/90 |
ターンでは3人が4点ずつ追加するので、6+12=18点。リバーでも12点追加され、30点になります。各自の合計拠出は10点で、3人の持ち点270点とポット30点を合わせると、開始時の300点と一致します。
最善5枚を公開し、勝者に渡す
最後の回にベットしたAが先に公開します。この教材ではBとCも手札5枚すべてを公開し、全候補からの選択を確認します。最後の回にベットもレイズもなかった場合は、ボタンの次の人が先に公開するのが採用ルールです。
| 人 | 使用する手札2枚 | 使用する共通札3枚 | 最善役と比較する5枚 |
|---|---|---|---|
| A | Aハイのフラッシュ:A・Q・J・10・9 | ||
| B | Aのワンペア:A・A・K・Q・J | ||
| C | Kのスリーカード:K・K・K・Q・J |
Aのフラッシュが勝ち、ポット30点をすべて受け取ります。BがAを2枚持っていてもワンペア、CがKを3枚そろえてもスリーカードなので、フラッシュには届きません。分配後はA120・B90・C90、ポット0。120+90+90=300点です。
降りた人・同点・異なる拠出はどうなるか
この一局は全員が同額を出し、最後まで残る例です。途中でフォールドした人は、それまで出した点を取り戻せず、最も強い札を持っていてもその局のポットを受け取れません。残る人が1人になれば、その人がポットを取ります。
複数人の最善5枚が同じ評価なら等分します。たとえば30点を2人で分けるなら各15点です。一方、オールイン(残る持ち点をすべて出すこと)の人がいる状態で他の人が追加し続けると、追加分をサイドポットへ分ける場合があります。各ポットは、そのポットを取る資格のある人だけで役を比べます。
全員の拠出が違う局を、無条件に「勝者が全ポットを取る」とは扱いません。今回の教材にはサイドポットはありません。基本は公式のサイドポット説明を参照し、複数サイドポットの計算はこの一局の範囲から外します。
HighとHi/Loはポットの分け方が異なる
ここまでの一局はHighなので、低い組み合わせへの配分はありません。別種目のCourchevel Hi/Loでは、通常の役で比べるハイと、条件を満たすローにポットを半分ずつ分けます。
ローの条件は8-or-better。異なる5つのランクがすべて8以下で、Aは最も低い札として扱います。ストレートやフラッシュでもローとして不利にはなりません。最も高い札から順に比べ、より低い組み合わせが勝ちます。
ハイ用とロー用で異なる札を選んでも構いませんが、どちらも手札2枚+共通札3枚を守ります。条件を満たすローが誰にもなければ、ハイの勝者が全部を受け取ります。
次は上の一局とは札を引き継がない、独立した小例です。共通札は3♣・4♦・8♥・K♠・Q♦、説明用ポットは20点とします。
| 人 | 手札5枚 |
|---|---|
| L | |
| H |
| 分配先 | 勝者の2+3 | 判定 | 受取点 |
|---|---|---|---|
| ハイ側 | H:手札K♥ K♣+共通K♠ Q♦ 8♥ | Kのスリーカード。Lの9のワンペアを上回る | 10 |
| ロー側 | L:手札A♠ 2♠+共通3♣ 4♦ 8♥ | 8・4・3・2・A。Hの8・6・5・4・3と比べ、次に高い4が6より低い | 10 |
ローは2人とも8が最も高い札ですが、次の札の比較でLが勝ちます。同じ人が両側の最善を持てば、両方を受け取ることもあります。
なお、本編の共通札Q♥・J♥・2♣・9♥・K♠には、8以下が2♣の1枚しかありません。共通札から必要な3枚を取れないため、仮にHi/Lo版として判定してもローは不成立です。
オマハやホールデムとの違い、確認が必要な条件
違いを見る軸は、手札の枚数、初回の行動前に見える共通札、完成役の使用制約です。次の表はPokerStarsの公開説明に合わせています。
| 種目 | 手札 | 初回前の共通札 | 完成役への使い方 |
|---|---|---|---|
| テキサスホールデム | 2枚 | 0枚 | 手札0~2枚、共通札と合わせて5枚 |
| 通常のオマハ | 4枚 | 0枚 | 必ず手札2+共通3 |
| 5カード・オマハ | 5枚 | 0枚 | 必ず手札2+共通3 |
| クールシュベル | 5枚 | 1枚 | 必ず手札2+共通3 |
通常のオマハの2+3はOmaha公式説明、ホールデムの手札0~2枚はTexas Hold’em公式説明で確認できます。5カード・オマハとの差である最初の公開1枚は、Courchevelの種目ページが明示しています。
Limit・Pot Limit・No Limitは、ベットやレイズの額の決め方を区別する名称です。この記事で採用したFixed Limitは単位を固定する方式で、Courchevelの公式説明では初回・フロップの単位が、ターン・リバーで2倍になります。同ページは、各回のベットとレイズを合わせて4段階までと説明しています。Pot Limitはポットを基準に上限を計算し、No Limitは持ち点を上限にする方式です。
いずれでも、手札5枚・最初の共通札1枚・完成役2+3という骨格は同じです。今回の例のSB1・BB2を、すべての卓に共通する額とは扱いません。
| 項目 | この記事での扱い |
|---|---|
| 参加人数 | 教材を3人で設計。すべての卓の定員上限は未確認 |
| 物理的な配布・バーン | 教材の配布順だけを固定。実際のバーン札の運用は採用ページで未確認 |
| 同点の分配 | 等分は確認済み。奇数点の端数を誰に渡すかは未確認 |
| 公開の順序 | 最終回の最後のベット/レイズ者、なければボタンの次。大会での公開義務などの詳細は未確認 |
| 追加形式・運営条件 | アンティ、レーキ、各会場・大会の細則は個別に確認。提供地域や現時点の稼働は調査対象外 |
採用したのは、2026年10月26日(日本時間)に確認したPokerStarsの公開説明です。TDA採用大会やすべての施設の普遍ルールとするものではありません。まずHighかHi/Loかを分け、次に「共通札は1→3→4→5」「役は必ず2+3」を確認すれば、一局の公開と勝敗を追いやすくなります。

