ブロッカーは、既知のカードで相手の候補が減ること
自分の手札やボードにあるカードを、相手は同時に持てません。このカード除去によって、相手が持ち得る組合せが減る効果を、ブロッカーと呼びます。
組合せをコンボと呼びます。例えばA♠を自分が持っていれば、相手のA♠K♣というコンボはなくなります。ただし、相手がAKを持たなくなるわけではなく、別のAとKの組合せは残ります。GTO Wizardの組合せ解説
ブロッカーは自分の役そのものを強くする効果でも、相手の実際の手札を確定する情報でもありません。

AA・AKのコンボを、見えているカードから数える
カードが何も除かれていない場合
| ハンド | 数え方 | コンボ数 |
|---|---|---|
| AA | A4枚から2枚を選ぶ | 6 |
| AKs | 同じスートのAとKが4種類 | 4 |
| AKo | 各Aに別スートのKが3種類 | 12 |
| AK全体 | A4枚×K4枚 | 16 |
sは同じスート、oは異なるスートです。AAはA♠A♥とA♥A♠を別々に数えません。同じ2枚だからです。
自分がAを1枚持てば、相手に残るAは3枚です。AAは3枚から2枚なので3コンボ、AK全体は3×4=12コンボになります。スート別ではAKsが3、AKoが9です。
同じボードでも、自分の手札で相手の候補は変わる
ボードをK♥ 7♦ 2♠ 4♣ 9♦とします。すでにK♥が見えるので、相手が持てるKは3枚です。
| 自分の手札 | 相手に残るA | 相手に残るK | 相手のAA | 相手のAK全体 |
|---|---|---|---|---|
| A♠5♣ | 3枚 | 3枚 | 3コンボ | 9コンボ |
| Q♣5♣ | 4枚 | 3枚 | 6コンボ | 12コンボ |
自分がAを持つ方は、相手のAA・AKが少なくなります。ボードのKも、自分のAも、一度ずつ除外して数えます。相手が実際にこの全てのコンボで参加・継続したとは、まだ言えません。
ナッツブロッカーと、ナッツを持つことは違う
ボードがQ♥ 8♥ 3♥ 2♣ 9♦で、自分がA♥5♣を持つ場合を考えます。
ハートはボード3枚と手札1枚の計4枚なので、自分のフラッシュは完成していません。一方、相手はA♥を持てないため、A♥を含むAハイフラッシュの候補がなくなります。こうした高いフラッシュの候補を除くカードは、ナッツブロッカーとして語られる代表例です。
同じ枚数を減らしても、減る中身が違う
このボードだけが見えている場合、残るハートは10枚です。相手がハートを2枚持つ組合せは、10枚から2枚を選ぶ45コンボです。そのうちA♥を含むのは、残りのハートとの9コンボです。
| 自分の手札 | 相手の2枚ハート全体 | そのうちA♥を含む候補 |
|---|---|---|
| 手札によるハート除去なし | 45コンボ | 9コンボ |
| A♥5♣ | 36コンボ | 0コンボ |
| K♥5♣ | 36コンボ | 8コンボ |
K♥を持つ場合もハートが9枚になるので、2枚ハート全体は36です。ただしA♥K♥だけが除かれ、A♥とほかのハート8枚の組合せは残ります。
「フラッシュ候補を9個減らした」という総数だけでは、どの強さの候補を減らしたか分かりません。自分がA♥を持つことは相手の高いフラッシュを減らしますが、それだけで自分が勝っているとは判断できません。
ブラフとコールでは、減らしたい相手候補が違う
ブロッカーの価値は、自分が何をしたいかによって変わります。目的に応じたブロッカーの説明
| 自分の目的 | 減らしたい候補 | 残したい候補 |
|---|---|---|
| ブラフして降ろす | 相手が強く継続する手 | 相手がフォールドする手 |
| コールしてブラフを捕まえる | 相手のバリュー | 相手のブラフ |
アンブロックは、ある候補を自分のカードで減らしていないことです。ブラフでは、強いコール候補を減らすだけでなく、降りる候補を残せているかも考えます。相手が降りるはずのドロー失敗手ばかりを自分が減らすと、残ったレンジが強くなる場合があります。ブロッカーとアンブロッカー
コールでは逆に、相手のブラフ候補を自分が大きく減らしていれば、同じ見かけの手の強さでも注意が必要です。ただし、どの手が実際のブラフやバリューかは、それまでの行動と相手の傾向から考える必要があります。
コンボ数だけで判断しない
6コンボある手を、相手がその状況で半分だけベットするなら、ベットレンジに寄与する重みは6×50%=3コンボ分です。カードの枚数だけで「6対3だから確率は2対1」とする前に、各手がどの頻度でその場面へ来て、その行動をするかを考えます。
復習では、次の順番で整理してください。
- 自分の役を判定する。フラッシュ未完成を完成と扱わない。
- 相手のレンジを、それまでの行動から考える。
- 既知カードを除いて、バリュー・ブラフ・フォールド候補のコンボを数える。
- 自分の目的に合う除去とアンブロックかを確認する。
- サイズ・人数・相手の頻度を合わせて判断する。
「Aを持つから必ずブラフ」「ナッツブロッカーだから必ずコール」とは決まりません。相手のレンジに、除去したい手がそもそも含まれないなら効果は小さくなります。まずハンドレンジの考え方を理解し、カード除去をその中の情報として使いましょう。

