SPRは、有効な残りスタックをポットで割った比率
SPRはStack-to-Pot Ratioの略で、ポットに対して、これからどれだけのチップを争えるかを表します。
SPR=有効残りスタック÷ポット
ヘッズアップでは、自分と相手の小さい方の残りスタックを使います。例えばフロップ開始時に、ポット20BB、自分の残り100BB、相手の残り70BBなら、有効残りスタックは70BBです。
70÷20=SPR3.5
相手が追加できるのは70BBまでなので、自分の100BB全体を分子にしません。すでにポットへ出したチップも、残りスタックへ二重に数えません。GTO WizardのSPR解説

同じ70BBでも、ポット額が違えばSPRは変わる
| 有効残りスタック | ポット | SPR |
|---|---|---|
| 70BB | 10BB | 7 |
| 70BB | 20BB | 3.5 |
| 70BB | 35BB | 2 |
「残り70BB」という情報だけでは、ポットに対する深さが分かりません。SPRは通常フロップ開始時など、計算した時点を添えて読む数字です。ターン開始時を計算するなら、その時点のポットと残りを使います。
多人数では、一つの最小スタックだけで全員との関係を表せません。自分80BB、相手A30BB、相手B120BBなら、Aとの有効額は30BB、Bとは80BBです。サイドポットの可能性も含め、相手ごとに見ます。
ベットサイズを、ポット比とBBで読む
ポット20BBに10BBを打てば、50%ポットのベットです。自分の残りスタックの50%という意味ではありません。
| ベット前ポット20BBに対するサイズ | ベット額 |
|---|---|
| 25%ポット | 5BB |
| 50%ポット | 10BB |
| 100%ポット | 20BB |
| 150%ポット | 30BB |
ポットより大きいサイズをオーバーベットと呼びます。NLでも、使えるスタックや最小額の条件はあります。レートとリミットで上限の違いを確認できます。
ベットには、弱い手にコールしてもらうバリューと、勝っている相手を降ろすブラフなどの目的があります。ただし、「強い手だから大きく、弱い手だから小さく」という一対一の規則ではありません。相手と自分のレンジ、強い役の候補、ボード、相手の反応もサイズに影響します。GTO Wizardのサイズ解説
サイズを決めると、次のポットとSPRが変わる
半ポットを3回打つと、10→20→40になる
フロップ開始時のポット20BB・有効残り70BBから、片方がベットし、もう片方が毎回同額をコールするとします。レイズ、追加参加者、レーキはありません。
| 場面 | ベット前ポット | 各自のベット・コール | 終了後のポット | 有効残り |
|---|---|---|---|---|
| フロップ | 20BB | 10BBずつ(50%) | 40BB | 60BB |
| ターン | 40BB | 20BBずつ(50%) | 80BB | 40BB |
| リバー | 80BB | 40BBずつ(50%) | 160BB | 0BB |
各自の投入は10+20+40=70BBです。同じ50%でも、実際に入れる額はポットとともに増えます。 残りストリートで同じポット比を打ち、ちょうど全額に至る考え方を幾何学的なサイズと呼びます。GTO Wizardの幾何サイズ解説
最初を小さくすると、後で必要な比率が変わる
同じ20BB・70BBの開始条件で、フロップを5BB、ターンを15BBにした場合も追ってみます。
| 場面 | 各自の投入 | 終了後のポット | 有効残り |
|---|---|---|---|
| フロップ | 5BBずつ | 30BB | 65BB |
| ターン | 15BBずつ | 60BB | 50BB |
| リバーで残り全額 | 50BBずつ | 160BB | 0BB |
このリバーの全額50BBは、60BBポットの約83.3%です。同じ全額を入れるにも、途中のサイズで終盤の比率が変わります。
これらは算術上の計画です。相手が降りる、レイズする、ボードが変わる可能性があるので、「この手なら必ず半ポット3回」が最善だという推奨ではありません。チェックを選ぶ場面もあります。
低SPRでも、必ずコールするわけではない
必要勝率を、今から払う額で計算する
相手がベットする前のポットが100点として、オールインに対応する場合を比べます。ヘッズアップ、引分とレーキなしの例です。
| 相手の全額ベット | 自分が追加で払う額 | コール後の最終ポット | 必要勝率 |
|---|---|---|---|
| 50点 | 50点 | 100+50+50=200点 | 25% |
| 100点 | 100点 | 100+100+100=300点 | 約33.3% |
必要勝率は、自分の追加額÷最終ポットです。SPRが低ければ、オールインがポットに対して小さくなり、必要勝率も低くなる場合があります。ただし、自分の手が相手のレンジに対して、その勝率を持つかは別の問題です。
同じワンペアでも、ボードや相手の候補、人数が違えば判断は変わります。SPRだけから「トップペアなら全額」と決めないでください。計算の基本はポットオッズで確認できます。
コミットは、過去の投資額による強制ではない
「もう多く入れたから降りられない」と考えるのは危険です。すでにポットに入ったチップは、次のコールの追加費用ではありません。
コミットという言葉は、残り額とポットの関係から、以後のベットに応じる計画・状況を表すときに使われます。ルール上、必ず残りも払う義務が生まれるという意味ではありません。 相手の行動でレンジが変わり、必要勝率を満たせないなら、過去の拠出が大きくてもフォールドを検討します。
一局の振り返りで残す数値
復習では、各ストリートの開始時に、ポット・自分の残り・相手の残り・使ったサイズを書きます。双方が同額を入れたなら、その2人分をポットに加え、自分が払った分だけ残りから引きます。
そのうえで「次の全額はいくらのポット比になるか」「そのサイズで相手のどの手にコールしてもらいたいか、どの手を降ろしたいか」を考えると、SPRを単なる暗記数字からベット計画につなげられます。

