PokerTracker 4は終了済み履歴を統計と復習へつなぐ

PokerTracker 4は、自分のハンド履歴を取り込み、対象と条件を確かめて集計し、1ハンドずつ復習するためのソフトです。

終了済みの自分の履歴をPostgreSQLへ取り込み、対象と条件を確認して集計し、Replayerで復習する流れ

ハンド履歴は、1ハンドで行われたアクションなどを記録したファイルです。PokerTracker 4は対応する履歴を読み取り、PostgreSQLというデータベースにハンド情報と統計を保存します。報告画面で全体や条件別の傾向を調べ、Replayerという再生画面で実際の進行を見直せます。

提供元はMax Value Software, LLCです。対象種目はホールデムと4枚の手札を使うオマハのHi・Hi/Loで、キャッシュゲームとトーナメントに対応します。5枚・6枚のオマハは、確認した公式FAQでは対象外です。

本記事は2026年10月26日に確認した公式文書と旧UIの画面例を使い、終了後の学習手順を説明します。現行配布版は4.19.1ですが、掲載画面の撮影版・撮影日は不明で、現行版を実機で試した記録ではありません。機能の有無と、利用先で許可される使い方も分けて確認します。

終了済み履歴を準備して手動で取り込む

まず必要なのは、自分が参加した終了済みのハンド履歴と、それを保存するデータベースです。履歴の保存形式や取得方法は対戦サービスによって違うため、PokerTrackerのサイト別設定ガイドで対象サービスを確認します。画像や動画を用意しただけで、対応する履歴ファイルの代わりになるとは限りません。

PostgreSQLはPokerTracker 4に必要な別のデータベースソフトです。初期設定ではサーバーへ接続し、新しいデータベースを作るか既存のものを選びます。すでに履歴がある場合は、取り込み先のデータベースを取り違えないようにします。
また、4.19でデータベース更新が導入され、更新後は古いPokerTrackerで使えません。公式リリース案内が求めるとおり、更新前にはバックアップを確保します。

準備できた終了済み履歴は、公式の手動取込手順では次の順に読み込みます。

  1. Play Poker → Get Hands From Diskを選びます。画面右下の取り込みアイコンからも開けます。
  2. 個別の履歴ファイルならSelect Files、フォルダ内の履歴ならSelect Directoryを選び、保存場所を指定します。
  3. 取り込み後にView Statsへ移り、キャッシュゲームの「$」かトーナメントの「T」を選びます。
  4. 左のPlayerで集計したい自分の名前を選び、ゲーム種別、期間、ステークス、適用中のフィルタを確認します。変更後はRefreshで報告を更新します。

公式旧UIのGet Hands from DiskとSelect Files・Select Directoryを拡大した説明図

画面出所:PokerTracker公式・Importing Hand Histories。旧UIのタイトルとボタン部分を拡大して再配置しています。Select FilesとSelect Directoryの選択肢を示す例です。

Active Playerは、報告・グラフ・統計の対象プレイヤーです。選びたい名前がなければPlayerの「Choose New Player」で検索します。別の人の名前や、前回の期間・条件が残ったまま数値を見ると、自分の履歴全体だと誤解しやすくなります。複数サービスの自分の名前をまとめるalias機能もありますが、まずは何を対象にしているかを固定します。

フィルタを適用して結果の母集団を読む

フィルタは、集計に含めるハンドを絞る条件です。割合を見る前に、その割合を出した履歴の集合を確認することが大切です。

公式のGlobal Filtersガイドには、「勝ったハンドだけ」を残す具体例があります。以下は同じ公式例の操作と出力です。

  1. View Stats → More Filtersを開きます。
  2. Hand Details → Win/Lossで、Player Won HandをONにします。
  3. Add to Filterを押し、Current / Active FiltersにPlayer Won Handだけが入っていると確認します。
  4. Save & Apply Filtersで適用します。報告の左側にあるCurrently Activeでも有効条件を確認します。

公式旧UIのPlayer Won Hand ON、Add to Filter、有効条件とSave & Apply Filtersを拡大した説明図

画面出所:上記公式ガイドのWin/Loss選択・条件追加・有効条件確認の旧UI画像の重要部分を拡大して再配置しています。「Save & Apply」は図中の短い表記で、実際のボタンは「Save & Apply Filters」です。

この公式例は、PlayerがPT4Hero、ReportがSummary、Group ByがPositionです。Game・Date・Stake・Bet TypeはそれぞれAll、QuickはNo Quick Filterで、追加された有効条件がPlayer Won Handです。

公式旧UIのPlayer Won Hand条件と18,774 Hands・18,774 Hands Won・100.00%を拡大した説明図

画面出所:同じ公式ガイドの適用結果。原画像のプレイヤー名・有効条件・見出し・合計行を拡大して再配置しています。旧UIで、当サイトが実行した結果ではありません。

公式画面の項目表示値読み方
Hands18,774適用した条件に合った履歴の件数
Hands Won18,774(100.00%)残った18,774件が、すべて勝った履歴
Currently ActivePlayer Won Hand「勝ったハンド」という選別条件が有効

ここでの100.00%は、勝った履歴だけを選んだ集合の中の割合です。負けた履歴を含む全プレイの勝率は、この画面からは分かりません。公式例の元データベース全体は公開されていないため、自分の履歴で同じ操作をしても18,774件になるとは限りません。

More Filtersは多くの報告に共通して作用します。ただし公式説明では、LeakTrackerなどの絞り込めない報告や、My Reportsに保存された報告固有のフィルタなどに例外があります。別のタブでも、同じ条件が使われているかを確認してから比べます。

複数条件はANDの意味を確かめる

次は別の公式例です。AA、つまり2枚のAを持ち、さらにフロップ(最初の共通カード3枚)を見た履歴を選びます。先ほどのPlayer Won Handが残っていれば、その条件を除いてから設定します。

Hand Values → Hole Cards Range Selection → Holdem Hand Range → AAを選びます。続いてActions and Opportunities → Actions and Opportunities - Flop → Saw FlopをONにし、Add to Filterを押します。

公式旧UIのAAとSaw Flopの設定、および(Hands: AA) AND (Saw Flop)の条件行を示す説明図

画面出所:同じ公式ガイドのAA選択・Saw Flop・複合条件の旧UI画像から抜粋。選択画面は概要、最終条件行は拡大して示し、原画面の文字と選択状態を保持しています。緑の矢印は公式画像の注釈です。

有効条件が(Hands: AA) AND (Saw Flop)なら、「AAを持った」と「フロップを見た」の両方を満たす履歴だけが残ります。AAを持っていてもフロップ前に終わったハンドや、別の手札でフロップを見たハンドは含みません。この条件を確認してSave & Apply Filtersを押します。

これはPlayer Won Handの例とは異なる条件です。18,774件や100.00%を、このAA条件の結果として転用することはできません。 どの条件を加えたかだけでなく、不要な条件が残っていないかも確認します。

1ハンドをReplayerで復習する

統計で確認したい場面が見つかったら、報告の1ハンドを選んで実際の進行を戻します。公式のReplayerガイドでは、報告内のハンドを右クリックし、Replay Hand(s)を選びます。報告全体を読み込む項目はReplay All Hands in Reportです。

公式旧UIのReplay Hand選択と再生操作部、1アクション前後とハンドの最初・最後へのキー操作を示す説明図

画面出所:同公式ガイドの右クリックメニューとReplayer操作部を抜粋した旧UIの説明図です。上のPlayer Won Hand例やAA例と同じ履歴の続きではありません。メニュー画像と再生画面の履歴が同一ハンドであることも、本記事では確認していません。

Replayerの右下では、自動再生、street(フロップなどの進行段階)の移動、1アクションずつの前後移動ができます。左矢印キーで1アクション戻り、右矢印キーで進みます。上矢印はハンドの最初、下矢印は最後です。複数ハンドを読み込んだ場合の「前後のハンドへ移る操作」とは区別します。

たとえば、気になった場面の直前へ戻し、アクションの順序、表示されている共通カード、履歴上の投入額を確認します。「画面から確認できた出来事」と「自分が考えた理由」を分けてメモすると、推測を履歴の事実に混ぜずに復習できます。再生画面が自動で正解の行動を保証するわけではありません。

統計の定義と少数サンプルを確認する

同じ名前の割合でも、何を分母とするか、どの条件のデータかをそろえなければ比較できません。ハンド総数と、特定のアクションを選べた機会の数が同じとは限らないからです。

PokerTrackerのQuick Startガイドは、個々の統計の定義をConfigure → Statisticsで確認する方法を案内しています。Cash Games / Tournamentsとカテゴリを選び、統計名を検索すると、DetailsのDetailed Descriptionで説明や式を確認できます。

比べる前の確認項目そろえる内容
対象Active Player、サービス、ゲーム種別、卓の条件など
期間同じ日付範囲か。All Datesなら保存された全期間か
フィルタCurrently Active、Quick Filter、報告固有の条件
定義分子となる出来事と、分母となる対象ハンド・機会
標本数絞り込んだ後の件数と、統計の対象になった機会の数

絞り込み後の数が少なければ、1件増えただけでも割合が大きく変わります。少数の結果から人の恒常的な傾向を断定せず、割合と件数を一緒に読み、必要なら対象のハンドを再生するところまでを一組にします。本記事では、個別の統計を一律に「この値なら良い」と判定しません。

版・端末・料金・保守を確認する

操作を読む際の旧UIと、これから使う環境・ライセンス条件は分けて確認します。以下は2026年10月26日時点の公式記載で、日本円への換算額や決済時の税額を保証するものではありません。

確認項目公式記載と注意点
現行配布版4.19.1、2026年10月19日公開。掲載した旧画面の撮影版とは区別
端末Windows / macOS版。登録コードは両OSで共通、同時に2台へ導入可能。コードの共有は不可
ハードウェア最低は64bit・4コア・4GB RAM。推奨は8GB以上のRAMとSSDなど。履歴量によって必要資源は変わる
データベースPostgreSQLが必須。公式FAQは9.6以上を最低、64bitの16系を推奨として記載
Windowsの対応方針Home / ProはMicrosoftのセキュリティ更新期間に加えて1年。FAQのWindows 10 22H2対応期限「2026年10月14日」は、確認日には経過済み
macOSの記載FAQでは11~15および26 Tahoeを列挙し、AppleのXcodeが対応する版に連動する方針。古い記述の「currently」だけで将来の対応を判断しない
OS間の機能差公式FAQには、一部fast-fold卓のHUDなどmacOS側の例外が記載されている。各サービス・機能の設定ガイドを個別に確認

公式購入ページの新規価格と、年間サポート・保守の料金は次のとおりです。金額はいずれもUSDです。

種目対象版新規年間保守
HoldemまたはOmahaの単独Small Stakes$64.99$44.99
HoldemまたはOmahaの単独All Stakes / Full版$99.99$69.99
Holdem & Omahaの両方Small Stakes$99.99$69.99
Holdem & Omahaの両方All Stakes / Full版$159.99$99.99

新規購入には最初の1年間のサポート・更新が含まれます。 保守を更新しなくても、期限までに提供された更新版は利用を続けられますが、期限後の互換性修正や新機能などの更新は受けられません。「本体価格だけで今後のすべての更新を受けられる」とは読み替えないようにします。

Small Stakes版には、ノーリミット(NL)/ポットリミット(PL)のブラインド0.25 / 0.50以下、固定リミットの0.50 / 1.00以下、トーナメント・SNGの参加費22以下という対象上限があります。また、14日間の試用にはHUDの試用表示、カスタム統計の作成・取り込み不可、起動・終了時の5秒待機、複数データベースにはライセンスが必要といった制約があります。

対応OSや履歴形式は変わり得ます。特に期限を過ぎたWindows 10の説明を、現在も対応しているという保証には使わず、技術FAQと配布版の案内を確認します。

利用先の規約と履歴の権利を確認する

HUDは、対戦画面上へプレイヤーの統計を重ねる機能です。ただし、PokerTrackerに機能があることと、各運営がその利用を認めることは別です。手動のGet Hands From Diskでは対戦中のHUDは起動せず、公式ではリアルタイム取り込みを別の機能として説明しています。

一例として、2026年10月26日に確認したPokerStarsの第三者ツール方針は、利用内容とソフトの起動状態を分けています。

利用内容PokerStarsの方針で確認する境界
自分のプレイから得た数値統計の表示一般に認める範囲がある一方、カードの値による分割や状況に応じた自動切替などには制限
高度な解析・助言GTO、ICMなどの高度な計算は、対戦クライアントが開いている間は禁止される区分。卓を閉じただけでは十分でない
他人から集めた私的履歴・結果データマイニング、そのデータの利用、対戦相手分析のための大量共有は禁止される区分
現在の局面に対する行動の指示リアルタイムの行動助言などは常時禁止される区分

これはPokerStarsの方針の要約で、他運営へ一般化できません。自分の終了済み履歴を使う場合も、利用先の現行規約と使う機能の範囲を確認します。復習ではまず「誰の、いつの、どの条件の履歴か」を固定し、数値の意味を確かめてから1ハンドへ戻る流れを保ちます。