最初に、自作する範囲を決める
ポーカーテーブルの自作は、表面だけ・載せ天板・脚付きのどこまで作るかを決めるところから始めます。必要な加工と、使わないときの収納方法が変わるためです。

画面が狭い場合は、表を横にスクロールして各項目を確認してください。
| 作る範囲 | 支えるもの | 主に必要になる作業 | 収納で考えること |
|---|---|---|---|
| マットなど表面だけ | 既存の机 | 表面材の選定と寸法合わせ | 材料が巻けるか、折り目が残らないか |
| 机に載せる天板 | 既存の机 | 板の切断、表面張り、机との接触・ずれの対策 | 板を置く場所と持ち運ぶ経路 |
| 脚付きテーブル | 自作する脚や取付金具 | 天板に加え、脚の組立と接合 | 完成外寸、分解の可否、脚を含む置き場所 |
既存の机の広さと高さに不満がなく、カードを扱う表面だけ変えたいなら、脚を作る必要はありません。一方、載せ天板にしても、下の机が小さ過ぎる、接触部が滑る、板が安定しないといった問題は残ります。上に置くものと、それを支えるものを一組で考えることが大切です。
ここでは、Rogue Engineerが公開する8人用の八角形木製卓を材料・木部工程の実例にし、PokerGFXのガイドを布張りの別実例として紹介します。図は理解のために作成した模式図です。筆者が製作・荷重試験を行った記録や、各例を組み合わせて検証した施工図ではありません。単独マットの縁処理や滑り止めの製法は、これらの資料では確認できないため扱いません。
完成外寸とプレー面を分けて寸法を決める
寸法を決めるときは、置ける大きさと、中央まで届く大きさを確認します。床に外形の目安を取り、実際に使う椅子を置いて、着席・立ち上がり・後ろの通行に支障がないか確かめてください。天板だけを収納する場合も、扉や階段を通せるか、運べる形にできるかを先に考えます。

寸法表では、次の三つを分けます。
- 完成外寸:レールなどの外周部まで含む大きさ。設置と搬入に使う寸法です。
- プレー面:カードやチップを扱う内側の範囲。外周部の幅を取ると、その分だけ狭くなります。
- 材料寸法:切る前の板や布の大きさ。切断する部分や裏へ回す余白を含むため、完成寸法と一致しません。
Rogueの完成図は、図示方向の外寸が55 1/4インチ、高さが30インチです。1インチ=25.4mmで換算すると、それぞれ約1403mm、762mmになります。プレー面用の元板は48インチ角、厚さ3/4インチで、換算値は1219.2mm角・厚さ19.05mmです。四隅を落とす原図の14 1/8インチは358.775mmに相当します。
これらは原図の単位換算であり、丸めたmm値で切り直すための代替図面ではありません。実際の切断寸法・角度・接合位置は、作者の寸法図と無料の加工図で一緒に確認してください。
人数だけでは形と寸法は決まりません。例えば製作会社Chanmanは、楕円卓の8〜9人向けの例に42×84インチ、約1067×2134mmを挙げ、幅が広いと中央のカードやチップを取りにくくなると説明しています。これは別形状のメーカー例です。すべての8人卓に共通する規格として、八角形の例へ当てはめないでください。Chanmanの寸法例
材料と工具を、作る部位ごとにそろえる
材料表は、採用する一つの設計の寸法・板厚・接合方法と対応させる必要があります。Rogueの木製卓では、次の材料が示されています。
| 部位・用途 | 公開例の材料・数量 | 準備時の注意 |
|---|---|---|
| プレー面の下地 | 3/4インチ厚、4×4フィートの合板1枚 | 切断前は48インチ角。国内の板厚や販売寸法と同一とは限らない |
| レールと脚 | 2×6材、8フィートを4本 | 原図の切り分けと角度を確認する |
| 脚の支持・つなぎ材 | 2×4材、8フィートを3本 | ぐらつきへの対応として改訂された上部支持を使う |
| 外周の化粧材 | 1×2材、8フィートを2本。任意 | 表面材の外側の端を覆う部材 |
| クッション | 1/8インチのヘッドライナー用foamを2層 | 合計厚の換算は6.35mm。後述の5mm材とは別仕様 |
| 表面 | ポーカーテーブル用speed cloth | 下地寸法だけでなく、必要な余白と固定方法も工程で確認する |
| 接合・仕上げ | 木工接着剤、ポケットスクリュー、木ネジ、充填材、研磨材、塗装材など | 部位ごとの指定と使用製品の説明を確認する |
foamはクッション用の発泡材、speed clothはプレー面に使う布です。布の下のクッションと、腕を置く外周部のクッションは別の部材として扱います。
2×6や2×4は製材の呼び名です。数字をそのままインチからmmに変換した断面寸法で買えるとは限りません。
板厚や材の実寸を変更すると、ネジの長さ・入り方・接合位置も変わります。近いサイズの国内材へ置き換える場合は、元の図面と同じ接合条件が保てるかを加工前に確認してください。
工具も工程から逆算します。Rogueの例では、角度切りのためのマイターソー、レールの加工に使うテーブルソー、丸のこ、ドリル・ドライバー、ポケット穴用ジグが挙げられています。ポケット穴用ジグは、材に斜めのネジ穴を開けるための道具です。仮合わせと接合にはクランプ、採寸にはメジャーや鉛筆、表面を整える作業には研磨用品なども必要になります。任意の化粧材の取付にはブラッドネイラーを使う例です。Rogueの工具・材料と工程
加工前には工具の説明書を読み、材料の固定方法と保護具を確認してください。JEMAは保護めがねの着用、クランプの活用、動く刃へ手を近づけないこと、先端工具の点検を案内しています。丸のこなど回転する刃の工具では巻き込みの危険があり、軍手を着けないよう注意しています。工具ごとの説明に従ってください。JEMAの電動工具使用上の注意
切断・仮合わせ・貼付・固定・仕上げの順を確認する
木部を組み立てる工程と、表面材を張る工程を分けると、接合部や布の固定場所を確認しやすくなります。先に完成形を想像するだけでなく、後の作業ができる状態で固定するかまで確認します。
木部は切断後に仮合わせし、脚と天板を固定する
Rogueの例は、レールを加工して八角形に合わせ、脚と支持部を組み、木部を仕上げてから天板と表面材を取り付ける流れです。

- 切断とレールの仮合わせ:レール端部の22.5度など、原図の角度に合わせて加工します。7本を木工接着剤と2 1/2インチのポケットスクリューで接合し、最後の1本を現物に合わせて切る構成です。最初から8本を一律に切りそろえて押し込む方法ではありません。
- 脚と支持部の組立:脚どうしをつなぎ、上部支持を組みます。作者は初作で上部に合板を使ったところ少しぐらついたと説明し、2×4材を使う図へ改訂しています。写真の見た目だけを追わず、改訂後の支持構造を確認します。
- 木部の仕上げと天板の固定:継ぎ目などを埋めて研磨し、塗装を済ませます。塗装材の指示どおりに乾燥させてから次へ進みます。天板は中心を合わせ、公開図では1 1/4インチの木ネジで脚側へ固定します。
- 表面材と外周部の取付:天板に1/8インチfoamを2層、その上に布を張ります。レールは下穴を開け、2インチの木ネジで固定する指定です。ネジ位置に余裕が少ないという作者の注意があるため、長さだけでなく取付位置も原図で確認します。任意の化粧材は最後に外周へ付けます。
ここで示したネジはこの木製卓の構造に対する指定です。別の板厚や脚金具へ同じネジを流用する根拠にはできません。LEDの電気加工はこの記事の範囲から外し、木部と表面材の工程を説明しています。作者の無料製作手順
クッションと布は別の層として張る
張り方の関係は、板→クッション→布の順に重なると考えると理解しやすくなります。以下は、PokerGFXの2019年版製作ガイドにある、別のRFID卓のプレー面の例です。

この例では、板へfoamを接着して輪郭に合わせて切り、布の位置を合わせます。布を半分折り返して露出したfoamへ接着剤を使い、中心から布を戻して気泡を除きながら貼る手順です。もう半分も同様に貼り、布を裏へ折り返して周囲をタッカーで固定します。タッカーは針を打ち込んで布などを留める道具です。PokerGFX製作ガイド、12〜13ページ
同ガイドの材料表にあるプレー面用foamは厚さ5mm・2m×0.8m、布も2m×0.8mです。2m×0.8mは材料の寸法で、完成卓の外寸ではありません。 外周のレールには厚さ12mmの別のfoamとビニル表皮を使うため、プレー面の布と取り違えないようにします。木部も18mm・12mmのMDFなどを用いる専用設計で、Rogueの合板・木製脚やネジ指定とは分けて扱います。同ガイドの材料表と外周部、9・14〜17ページ
接着剤は、使う板・foam・布への適合、塗布面、貼り合わせまでの時間、換気、乾燥条件を採用製品の説明で確認してください。例えばRogueが案内するDAPの製品にも固有の接着条件があります。PokerGFXの古いガイドにある「3M foam adhesive」は型番を確認できておらず、代用品に同じ待ち時間を当てはめることはできません。DAPの製品説明
材料費だけでなく、工具代と待ち時間も比べる
自作と購入を比べるときは、完成させるまでに追加で払う総額を出します。家にある工具を使える人と、工具からそろえる人では、同じ材料表でも出費が変わります。
| 見積もる項目 | 入れるもの |
|---|---|
| 木部・表面材 | 板、製材、布、foam、任意の化粧材 |
| 脚・取付部品 | 自作脚の材料、または採用する脚金具と専用の取付部品 |
| 消耗品 | 接着剤、ネジ、タッカーの針、研磨材、塗装材 |
| 加工・調達 | カット代、材料の送料、必要な運搬費 |
| 工具 | 新しく買う、借りる工具やジグ、クランプ、保護具 |
| やり直し分 | 切断ミス、試し張り、使い切れない販売単位の余り |
Rogueには材料費150〜300米ドル、週末・2日という作者の報告があります。
ただし、これは海外の製作例です。日本で同じ金額や日数になるという保証ではなく、本記事では国内材料の現行見積もりや独立した工数測定を行っていません。作者の費用・時間の記載
予定には、採寸・買い出し・切断・組立・張り作業のほか、接着や塗装を待つ時間も入れます。乾燥時間は作業を速くしても省けません。必要な工具と作業場所、製品が指定する待ち時間を確認してから日程を決めましょう。
既製品とは、同じ人数・完成外寸・脚の有無で比べ、送料と収納性もそろえて判断します。材料代だけが安くても、新しい工具や加工代、作業場所の確保が必要なら総額は変わります。現在の販売価格は購入時に確認し、ポーカーテーブル・マットの選び方も比較に使ってください。
使う前に、ぐらつき・滑り・角と固定部を確かめる
仕上がったら、支える部分・触れる部分・表面の固定を確認します。次は製作後に確認する場所を整理したもので、耐荷重試験の合格基準ではありません。
| 確認する場所 | 確かめること |
|---|---|
| 脚・支持材・接合部 | がたつき、緩み、接合部の開きがないか。脚金具を使うなら指定の取付とロックを確認する |
| 載せ天板と既存机の接触部 | 支えが偏っていないか、滑ったり傾いたりしないか、机を傷める接触がないか |
| 角・板の端・レール | 鋭い角、ささくれ、欠けが残っていないか |
| 裏面と固定部 | ネジ先やタッカーの針が突出していないか、固定が緩んでいないか |
| プレー面 | 布の浮き、しわ、剝がれ、カードが引っ掛かる箇所がないか |
異常があれば使わず、原因を直してから再確認します。作者の改訂脚を使うことだけで、完成した卓の強度が保証されるわけではありません。座る・立つなど人が乗る方法を確認試験にしないでください。
収納前には、接着剤や塗装材が指示どおり乾燥しているかを確認し、布を傷めない保管方法と、無理なく持てる運搬方法を考えます。採用する設計・実際の材料・置き場所がそろってから切断を始めることが、作り直しを減らす第一歩です。

