HM2は履歴を集計・再生する旧版ソフト

HM2(Hold'em Manager 2)は、2020年12月31日で更新・技術支援が終了した旧版ソフトです。保存されたハンド履歴を集計し、条件で絞った1ハンドを再生して振り返れます。

終了済みの自分の履歴を条件で絞って再生し、レポートは集計、Replayerは1ハンドの復習に使う流れ

ハンド履歴とは、終了した1回のプレイについて、行動や公開された札などを記録したデータです。HM2は取り込んだ履歴をデータベースに蓄え、レポートでまとめて見ることと、Replayerで1ハンドをたどることを助けます。

提供元はMax Value Software, LLCで、現在の公式製品ページが案内する版はHoldem Manager 3(HM3)です。HM2の古い操作説明とHM3の料金・機能を混ぜずに読む必要があります。HM2のサポート終了に関する公式FAQと現行HM3の公式ページで、版の区別を確認できます。

サポート終了と「今も動くか」は分けて考える

サポート終了は、既存利用者のソフトがその日に一斉に使えなくなった、という意味ではありません。公式FAQは既存利用者が利用を続けられると説明する一方、サービス側の更新や新しいゲーム形式によって、履歴の取り込みやHUDに大きな影響が出るとも述べています。
HUD(Heads-Up Display)は、蓄積した履歴の統計を画面へ重ねる表示です。後述するReplayerにも表示がありますが、この記事では対戦とクライアントを終了した後の復習だけを扱います。

確認すること旧HM2現行HM3
製品の位置づけ更新・技術支援が終了した旧版現在の公式製品ページで案内される版
今ある履歴読み込める形式の既存履歴が復習の対象別製品として形式・要件を確認する
新規取得・認証2026年時点の可否は本記事では未確認公式のライセンス・無料枠の案内あり
現在の互換性古い対応一覧だけでは判断できない版・履歴形式・現在の要件の確認が必要

確認日は2026年10月26日です。本記事は旧公式マニュアルを読む文献解説であり、現在の環境でHM2を起動・取り込み・再生した試用記録ではありません。新規導入の成功やWindows 11での動作、特定サービスの現在の履歴との互換性は保証できません。

履歴を取り込む前提をそろえる

復習に使うのは、自分が参加して得た、保存済みの終了した履歴です。すでにHM2のデータベースに入っていれば、その履歴を対象に次節へ進めます。ファイルから読む場合は、次の前提を先に確認します。

前提確認する内容
データの出所自分の参加したハンドの記録であること
形式と言語HM2が読める形式の英語テキスト履歴であること
種目この操作例はHold'emのCash履歴。トーナメントの結果要約や賞金計算は未検証
保存先手元のどのフォルダー・ファイルにあるか分かること
読み込み状況読めたハンド、重複、エラーを区別すること

旧資料は、完了後に保存される英語のハンド履歴を前提とし、一部サービスでは英語クライアントも必要としています。ただし、その記載は現在の取得方法や互換性を保証するものではありません。画像や任意に作ったCSV、表計算の一覧を、そのまま対応履歴として読み込めるという意味でもありません。旧HM2の取り込み前提

対応する英語の保存済み履歴を、旧HM2のOptions、Hand Importing、Import File(s)、Openから手動で読む手順

対応する履歴ファイルが手元にある場合の旧公式手順は、Options → Hand Importing → Import File(s)と進み、保存先でファイルを選んでOpenです。Import Statusには取り込み状況、重複やエラーの欄があります。
ファイルを選択できたことと、必要な履歴をすべて正常に読み込めたことは分けて確認します。ここでは実際のファイルを入力していないため、成功件数やエラー件数は示していません。旧HM2の手動取り込みマニュアル

統計から条件を絞って1ハンドを振り返る

レポートで対象の範囲を確かめる

レポートは、選んだ履歴のまとまりを集計する表示です。旧HM2のCash Reportsには、位置別のPosition、プレイのまとまりごとのSessions、ゲームの賭け額区分別のBy Stakesなどがあります。旧HM2のCash Reports

集計前にそろえる軸確認する理由
プレイヤー自分の履歴を見ているかを確かめる
期間見たい時期と集計対象をそろえる
種目・形式今回のHold'em Cashと別形式を混ぜない
フィルター以前の条件が残り、意図せず一部だけを見ていないか確かめる

同じプレイヤーでも、期間や条件が変われば集計する履歴は変わります。「数字が変わった」ときは、行動の変化を考える前に、何を集計しているかを確認すると読み違いを減らせます。

位置と直前の状況で履歴を絞る

旧公式Basic Filtersには、「自分がボタン位置でレイズに直面したハンド」を探す具体例があります。More FiltersのBasic Filters → Position and Actionで、次の2条件を選ぶ説明です。

項目旧公式例で選ぶ条件
Hero's Position(自分の位置)Button
Preflop Action Facing Hero(自分に回る前の状況)1 Raiser

Button(BTN)はディーラーボタンの位置、1 Raiserはプリフロップで自分に行動が回る前に1人のレイザーがいる状況です。プリフロップとは、共通カードが出る前の段階を指します。
この条件で見る対象は、その状況に合う自分の履歴の集合です。「自分が3ベットしたハンドだけ」でも、「勝ったハンドだけ」でもありません。旧HM2 Basic Filtersの公式例

旧HM2公式例のButtonと1 Raiserで履歴を絞り、Hands Viewの1行をダブルクリックしてReplayerで再生する流れ

Hands Viewから1ハンドの再生へ進む

条件に合う履歴のHands Viewで1行をダブルクリックすると、Replayerが開くと旧公式FAQに記載されています。レポートは複数ハンドの集計、Replayerは選んだ1ハンドの行動順を読む場所です。Replayerへハンドを読み込む旧公式手順

Replayerでは、プリフロップ、フロップ、ターン、リバーという各段階へ移動し、履歴に残る行動と既知の札を確認できます。分からなかった判断をHand Notesに残すと、何を復習したいかが明確になります。既知の札を表示する機能は、記録にない相手の伏せ札まで分かるという意味ではありません。旧HM2 Hand Replayer

ここまでの流れは、複数の旧公式説明をつないだものです。Button+1 Raiserを実行して得た件数、札、VPIP、勝敗などは確認していません。公式のPosition表とReplayer画像も別々の教材例であり、同じ条件を実行した一連の結果としては扱っていません。

統計は母数と集計時点を一緒に読む

統計を見るときは、割合だけでなく、どの履歴・どの機会が分母になっているかを確かめます。基本指標も、同じ数を分母にするとは限りません。

指標表す内容一緒に見る条件
Total Hands対象に含まれる記録ハンド数プレイヤー、期間、フィルター、欠落履歴
VPIP自発的にポットへチップを入れたハンドの割合対象ハンド数。強制的なブラインドだけでは自発的参加にならない
PFRプリフロップでレイズしたハンドの割合対象ハンド数と条件
3Bet1回レイズされた状況で、さらにレイズした割合3ベットできた対象機会数。全ハンド数とは異なる

VPIPは勝率ではなく、PFRや3Betも適正な行動率を示す値ではありません。Total Handsが多くても、ある行動の機会は少ない場合があります。少数の記録で割合が大きく動くこともあるため、数字だけから安定した傾向や改善の結論を断定しないようにします。旧HM2の統計定義

再生するハンドの時点までと、後日の履歴を含む全期間では統計の集計範囲が違うことを示す概念図

さらに、旧Replayerには全期間の履歴を使う表示と、再生ハンドの時点までの履歴を使う表示の区別があります。後から取り込まれた履歴を含む全期間の数字は、そのハンドをプレイした当時に分かっていた情報と同じではありません。図の棒は集計範囲の概念で、件数や時間の実測比率ではありません。

HM2の数値は、取り込めた範囲の過去の記録を説明します。欠けた履歴や違う期間まで代表するとは限らず、bb/100などの成績やall-in EVから将来の利益・正解の行動を保証することもできません。

端末・料金・無料枠はHM3の情報として確認する

以下は2026年10月26日に確認したHM3の公式表示です。HM2の販売価格や無料版の条件として読み替えないでください。HM2の現在の新規認証・販売可否・Windows 11動作は未確認です。

現行版のライセンス公式表示価格(USD)
HM3 Holdem Small Stakes$65
HM3 Holdem All Stakes$100
HM3+OM3 Combo Small Stakes$100
HM3+OM3 Combo All Stakes$160

OM3はOmaha用です。Small StakesとAll Stakesは、対象となるゲーム条件が異なるライセンス区分で、プレイ額の推奨ではありません。上記は表示価格であり、税・為替・決済時の合計は確認していません。HM3公式価格表示

無料・保守に関する項目確認できた内容
HM3 FreeReportsは最大500ハンド。対応する形式やライセンス対象にも制約あり
HM3の試用期間製品ページは14日、公式KBは15日と記載が不一致。正確な現行日数は未確定
初年度の保守1年間のAnnual Support & Maintenanceを含む
保守の満了後満了前に公開された版は継続利用できるが、その後の更新は対象外

Freeは無制限版ではありません。また、HM3の試用案内から「HM2を現在無料で試せる」とは判断できません。HM3のライセンス・Freeの条件

2年目以降の任意保守の表示額は、単独Small $44.99/Full $69.99、Holdem+Omahaの両方Small $69.99/両方Full $99.99、FullとSmallの組み合わせ$84.99です。保守を更新しない場合、履歴形式の変更に対応する新更新を受けられないことがあります。HM3の年間保守条件

端末要件には移行予告がある

HM3の要件ページは、今後の.NET 10移行に伴う要件変更を予告し、それまでは現行版が古い環境でも動くと区別しています。

要件ページの記載読み取れる条件
OS欄の最低要件Windows 10 64-bit、version 1809以降
推奨OSWindows 11 64-bit
ARMへの対応Windows on ARM(ARM64)の記載あり
古いOSの扱い.NET 10移行時にWindows 7・8・8.1の対応終了を予告

Apple Silicon Mac上のParallelsについての記載も、仮想環境でWindowsを動かす条件です。Mac用のネイティブアプリや全端末の動作保証を示すものではありません。旧HM2のWindows要件へHM3の条件をそのまま当てはめず、使う版と要件ページの予告を合わせて確認します。HM3の端末要件

自分の履歴を、対戦とクライアントの終了後に復習する

提供元の利用許諾は、第三者サービスの規約を守ることを求め、自動プレイ用途を禁じています。ソフトの機能が存在することだけで、個々のサービスで現在許可されるとは判断できません。Max Value Softwareの利用許諾

一例としてPokerStarsの方針は、許可するもの、常時禁止するもの、クライアント起動中は禁止するものを分けています。自分のプレイから得た統計にも表示内容・機能の制限があり、リアルタイムの行動助言、データマイニングで得た履歴、相手分析のための大量共有などを禁じています。すべてのHUDを一括して許可・禁止する記載ではありません。PokerStarsの第三者ツール方針

区別する点本記事での扱い
学ぶタイミング対戦を終え、ポーカークライアントも閉じた後
使う履歴自分が参加して得た保存済み履歴
復習する内容集計範囲、条件に合う履歴、1ハンドの行動経路
対象外の用途対戦中の助言、自動プレイ、他人の私的履歴の購入・収集・大量共有

PokerStarsの高度な計算やGTO資料などに関する制限は、クライアントを開いている間に適用され、テーブルを開いていない場合や別端末での利用も例外にはなりません。これは同社の具体例であり、他の事業者の許可条件へ一般化はできません。

また、終了後のオフライン復習という説明は、HM2が永久にネット接続不要という意味ではありません。旧公式資料には、ライセンスサーバーへの定期接続が必要だとする記載があります。旧HM2の動作要件